普通免許のAT とMT、どっちいがいいの?その違いとメリット・デメリットを解説

普通免許のAT とMT、どっちいがいいの?

これから運転免許を取得しようと考えている方にとって、最初に決めなければならないのが、MT(マニュアル)車にすべきか、AT 車にすべきかという選択です。
はじめて運転免許を取得する方やクルマに詳しくない方にとっては、MT 車とAT 車の何が違うのか、どちらの運転免許を選べばいいのか、まったく分からなくても無理もありません。

今回の記事では、そのようなクルマ初心者の方に向けて、MT 車とAT 車の仕組みと操作方法の違い、MT とAT 限定免許の違いやそれぞれのメリット&デメリットについて詳しく解説していきます。
この記事を最後まで読めば、自分がどちらの運転免許に適しているかが判別できるようになります。
ぜひ運転免許選びに役立ててください。


目次

  1. 普通免許のMT とAT って何?
  2. 免許を取るならどっちがいい? MT とAT を比較!
  3. この記事のまとめ

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1. 普通免許のMT とAT って何?

普通免許のMTとATとは

はじめて運転免許を取得する方や、クルマの仕組みに詳しくない方にも分かりやすいように、MT 車とAT 車の違いとそれぞれのメリット&デメリットを説明していきます。

MT とAT はそれぞれ頭文字を使った略語で、正式には次のような名称です。
MT=マニュアル・トランスミッション (通称:マニュアル)
AT=オートマチック・トランスミッション (通称:オートマ)

MT とAT に共通している頭文字のT を「トランスミッション」といいます。
このトランスミッションとは、クルマを前や後ろに動かす力、あるいは前進するスピードの調節を行う仕組み(変速機)です。
ドライバーがクルマを動かすときに、
ドライバーの手でギアチェンジする操作を行うものを「マニュアル・トランスミッション」
クルマが自動的にギアチェンジしてくれるものを「オートマチック・トランスミッション」
というように、トランスミッション(変速機)の動かし方の違いを表しているのです。

それでは、次にMT とAT の特徴とメリット&デメリットについて具体的に見ていきましょう。

1-1. MT(マニュアル)とは?

MT は、通称「マニュアル」と呼ばれ、正式には「マニュアル・トランスミッション」といいます。
MT 車では、加速や減速など速度調節をする際に、その都度、シフトレバー(チェンジレバー)とクラッチペダルによる操作が必要になります。

ここで新たに「クラッチ」という言葉が出てきて、「クラッチって何?」と思われた方もいるかもしれませんね。
クラッチとは、エンジンとトランスミッション(変速機)の間に取り付けられている動力伝達装置で、前進や後退、変速時にエンジンの力をトランスミッションに伝えたり、遮断したりするパイプ役を担っています。
クラッチはMT 車にもAT 車にも必ず付いている装置で、クラッチがなければ、車輪は動きません。
また、「クラッチペダル」は、そのクラッチを操作する際に踏み込むペダルのことです。

MT 車では、ギアチェンジ(変速指示)する際、その都度、手と足でクラッチを操作して、指示内容を伝達したり、遮断したりして滑らかな走行を実現します。
一方のAT 車では、アクセルとブレーキで速度調節するだけで、自動でギアチェンジを行われるので、この一連のクラッチワークが必要ありません。
すなわち、MT とAT の違いは、ギアチェンジするのに手と足(マニュアル)で操作するのか、クルマが自動(オートマチック)でやってくれるのかという仕組みの違いだと考えると理解しやすいでしょう。

そして、一般的なMT 車には、シフトレバー(チェンジレバー)の前進が5段階(1速~5速)あり、速度を上げていくのに1速から5速へとギアを上げていく変速操作が必要なところが大きな特徴です。(減速時にはその逆の操作)
一方のAT 車は、自動変速システムなので、シフトレバーによる操作が不要です。
そのほかの後進(R)とパーキング(P)、ニュートラル(N)は、MT 車AT 車ともに共通で、シフトレバーによる操作が必要です。
MT 車は、AT 車と比べて、手(シフトレバー)と足(クラッチ)による操作が多いのが特徴。
ハンドル操作とともに運転の上手さに差がつくのが、このクラッチワークと呼ばれる一連の変速操作です。
クルマを意のままに操ることができる楽しさがある反面、ギアチェンジの際にミスをすると、エンスト(エンジンストップ)してしまうなど、操作への慣れが求められます。

マニュアル

【 MT のメリットとデメリット 】

◎MT のメリット

  • 意のままにクルマを操る楽しさを味わえる。(クルマ好きはMT 免許を取得している。)
  • AT 車も運転することができる。(反対に、AT 限定免許ではMT 車を運転することはできません)
  • 運転できる車種が多くなる。(スポーツカーや大型車、海外のレンタカーもMT 車が多い)
  • 将来的に大型免許や二種免許を取得するにはMT 車免許がベースになる。
  • AT 車よりペダルの踏み間違いによる事故が少ない。(エンストしてしまうため)

◎MT のデメリット

  • AT 限定免許より教習時間が多い。
  • 教習料金がAT より高い。
  • AT より操作が複雑でむずかしい
  • エンストを起こす可能性がある。
  • 操作には慣れが必要なこと。
  • 国内ではほとんどのクルマがAT のため、活用できる機会が減少してきている。

1-2. AT(オートマ)とは?

AT は、通称「オートマ」と呼ばれ、正式には「オートマチック・トランスミッション」といいます。
AT 車では、速度調節時にエンジンの動力を自動的にトランスミッションに伝えます。
変速時にギアチェンジが自動的に行われるため、MT 車でその都度行っていた、シフトレバー(チェンジレバー)とクラッチペダルによる操作が必要ありません。
また、AT 車のシフトレバーには、MT 車のように1速~5速まであった5段階ギアがなく、「前進(D)」が設定されているのみです。
アクセルとブレーキの2つのペダルを踏んで操作するだけでよく、MT 車のようにクラッチペダルそのものが搭載されていません(クラッチはAT 車にも搭載されています)。
マニュアルで動かすMT に対して、クラッチワークを自動で行ってくれる仕組みということから、「オートマチック・トランスミッション(AT)」と呼ばれています。
運転操作がMT 車より格段に簡単なところが、AT 車の大きな特徴です。

オートマ

MT 車のように手(シフトレバー)と足(クラッチ)を使って複雑な操作を行う必要がなく、とにかくシンプルな操作で覚えやすく、難易度も大幅に低くなったAT 車。
AT 限定免許を取得する場合、教習所での教習時間数もMT より少なくなっています。

AT 限定の技能教習は、第一段階12 時限、第二段階19 時限の合計31 時限
MT の技能教習が、第一段階15 時限、第二段階19 時限の合計34 時限
※学科教習はAT・MT ともに同じ時間数

合宿免許における最短期間も、AT 限定免許は14 日間~、MT 免許が15 日間~、となっています。

当然のことながら、教習料金もAT 限定免許の方が安くなっています。
合宿免許の料金相場では、

普通車AT 車限定で約18~28 万円
普通車MT 車で約20~30 万円

AT 車限定の方が2 万円程度安くなっています。

【 AT のメリットとデメリット 】

◎AT のメリット

  • 運転操作がシンプルで簡単。
  • 教習時間(期間)がMT より短い。
  • 教習料金がMT より安い。
  • 国内では仕事などでMT 免許を必要とされる以外はAT 限定免許で十分。
  • 国内で新たに発売される乗用車は90%以上がAT 車。

◎AT のデメリット

  • MT 車を運転することができない。
  • MT 車を運転するには「AT 限定解除」する必要がある。
  • 大型免許や2 種免許はMT 免許がベースになっているため、新たにそれらの免許を取得する際はあらためて「限定解除」をする必要がある。
  • 一部の企業の社用車ではMT 車が使われているため、就職する際にMT 免許を求められる場合がある。
  • 履歴書には必ず「AT 限定」と記載しなければならない。

2. 免許を取るならどっちがいい? MT とAT を比較!

MT とAT を比較

ここまでAT とMT の違いやメリット&デメリットを解説してきました。
どちらの運転免許が自分に適しているのか、イメージできてきましたか?
ここからは、同じ境遇だった先輩たちは免許取得後に困るようなことがあったのだろうか。
先輩たちがどちらの免許を選んできたのかを見てみましょう。
そして、それでも迷ってしまった場合の考え方についても解説します。

2-1. MT とAT の割合 どっちが多い?みんなはどうしてる?

ここまでの解説で、自分の意向や条件に合致している運転免許がわかってきたところだと思います。
ただ、同じ境遇だった先輩たちはどのようにして選んだのだろうか?
とても気になるところですよね。

警察庁交通局運転免許課の『運転免許統計(令和2 年版)』によると、この年に全国の自動車教習所を卒業した人たちのうち、普通車免許を希望した合計人数が109 万9,725 人。
そのうち、MT 免許(限定なし)希望者は33 万3,325 人、一方のAT 限定免許の希望者は76 万6,400 人でした。
普通車免許に占める割合は、比率にしてMT の30.3%に対して、AT 限定は69.7%。
全国統計ではMT:AT=3:7ですが、東京都内に限定するとMT:AT=2:8となっています。
都市部になるほど、AT が占める割合が大きくなっていますが、はたしてこの比率をどのように受け止めればよいのでしょうか。
次は、このような割合になっている社会背景を少し見ておきましょう。

2-2. AT 限定免許で困ることはあるの?

教習所を卒業した先輩たちの希望割合が MT:AT=3:7
(東京都内に限定した場合は MT:AT=2:8)
これには、わたしたちを取り巻く社会背景やクルマ業界の動向が大きく影響しています。
現在、自動車メーカーが国内で販売している新車(乗用車)の99%がすでにAT 車になっています。
あなたの身の回りを見ても、AT 車ではない乗用車の持ち主を探すのは、結構むずかしくなっているはずです。
このようにAT 車の圧倒的な占有率にもかかわらず、まだ2~3割の人たちがMT 免許を取得しています。

その要因として、かつてはいわゆる営業車(企業の社用車)にMT 車が多かったということが挙げられます。
就職してから困らないように、あるいは就職活動中に「要普通免許(AT 限定不可)」という募集条件をクリアできるようにMT 免許を取得する風潮がありました。
しかし、最近では、AT 車はもちろんのこと、ハイブリッド車や電気自動車を社用車として採用している企業も増えてきており、AT 限定免許でもまったく困らなくなっています。
企業の方が、AT 限定免許の取得者の増加に伴い、MT の社用車を減らしているという動きも見られます。

次にMT 人気が根強い要因としては、将来的に大型のトラックやバスのプロ免許を取得することを想定している場合です。
大型や中型、準中型といった免許では、クラッチワークが必要になり、普通車MT 免許がベースになります。
就職する業種や職種によっては、MT 免許が必須の場合もあるので、計画的によく考えて取得する必要があります。

そのほかには、いわゆるクルマ好きの人たちや、スポーツタイプやクラシックタイプのクルマを好む人は、MT で意のままにクルマを操る感覚、ドライブフィーリングを求めるためにMT 免許を選んでいます。

また、冒頭で全国統計と都内限定のデータにおいて割合に違いが生じていました。
これは地方にある実家やその周辺で、MT の軽トラックを運転する機会の有無が影響した結果です。
現在、地方在住の方はもちろん、今は都市部で生活していても、将来的に生活環境が変わる可能性や、実家などでMT 車を運転する機会が想定できる場合にも、MT 免許を取得する傾向があります。

時代の流れとともにAT 限定免許の希望者が増えていますが、あくまで自分自身の仕事や生活環境に応じて計画的に取得することが大切です。

2-3. MT とAT、迷ったときのための比較一覧表

MT とAT の違いやメリット&デメリット、先輩たちの選択傾向についてもご紹介してきましたが、「まだどうしても迷っている…」という方のために、MT とAT の比較一覧表を作りましたので、ぜひ参考にしてください。
運転操作の難易度や、教習に必要な費用や時間、運転できる車種など、必要に応じてそれぞれの観点から比較検討してみてください。

マニュアル車とオートマ車の比較一覧表

3.この記事のまとめ

普通免許のMTとATどっちがいいの?

今回は、普通免許を取得するにあたり、「MT とAT のどちらを選ぶべきか迷っている」という方のために、MT とAT の違いや、それぞれのメリット&デメリットについて解説してきました。
時代の流れとともに、AT 車の普及率が著しく伸び、AT 限定免許の保有者が増加し、企業側でもMT 車を減らす動きがみられるなど、社会背景にも大きな変化が表れてきました。

その一方で、大型のトラックやバスのドライバーなど業種や職業によっては、MT 免許が必要とされています。
クルマ好きの方々や、スポーツタイプやクラシックタイプのクルマを好む方々は、迷うことなくMT を選びます。
また、地方ではMT の軽トラックを運転する機会があるため、都市部よりもMT の比率が高くなっています。

AT 希望者の割合が多くなっているものの、AT 車の普及率の割にはMT 希望者の割合が根強く残っているという状況です。
免許取得の難易度、教習に関する費用や時間、運転できる車種など、各自がそれぞれ仕事やプライベートの事情に応じて、計画的に選んでいることの表れだといえます。

また、AT 限定免許を取得した場合でも、あとで「限定解除」の教習を受ければ、MT 車を運転できるようになります。
迷ってしまって選べない方や「とりあえず今すぐ運転免許(証)がほしい」という方は、一旦AT 限定免許を取得して、あとから必要に応じて「限定解除」教習を受けるというのも一つの方法です。

「限定解除」について詳しく解説している記事はこちら!

関連記事⇒『やっぱりMT に乗りたい!普通車AT 限定解除の方法や費用、難易度を解説!

こちらの記事もぜひ参考にしてください。

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