役立つ情報
卒業検定に落ちたら、どうなるの?卒検の内容を徹底解説!
合宿免許を卒業するための最後の関門にして、最大の難関なのが「卒検(そつけん)」こと卒業検定です。
その名の通り、この卒検に合格しなければ、合宿免許を卒業することができません。
いよいよ合宿免許もクライマックスというところで、ピリピリッと緊張が走る人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、卒業検定特集の第 1 回目として、卒業検定までの流れや検定の内容、そして教習生最大の関心事でもある「卒検に落ちたらどうなるのか?」についても詳しく説明していきます。
目次
1.卒業検定とは
卒業検定とは、教習所を卒業するためには避けては通れない、最後に合格しなければならない技能試験のことです。
卒業検定の合格基準は、自分自身で状況判断をして安全に運転することができるかがポイントになっています。
運転に必要な技術や知識・マナー、そして状況判断能力が習得できているかをテストされるというわけです。
卒業検定に学科試験はない
そして、覚えておかなければならないのは、この卒業検定に合格したからといって、すぐに運転免許が手に入るわけではないということ。
卒業検定に合格し、教習所を卒業したあと、教習生それぞれの住所地を管轄する運転免許センターで実施される学科試験に合格してはじめて運転免許を取得することができます。
したがって、技能試験としては最後であり、最難関といってもいいでしょう。
2.卒業検定までの流れ
合宿免許でも通学教習でも、入校すれば、誰でも必ず自動的に卒検までたどり着けるわけではありません。
卒業検定の内容について解説する前に、入校してから卒検までの道のりを説明しておきましょう。
合宿免許(教習所)に入校~適性検査
入校日には、入校式や入校手続き、適性検査が行われ、いよいよ合宿生活がスタートします。
第1段階
教習カリキュラムには、技能教習と学科教習があり、技能教習のみ AT 車限定コースと MT 車コースとでカリキュラム内容が異なります。
第 1 段階の技能教習は、場内での教習となり、AT 車限定で 12 時限、MT 車だと 15 時限の教習を受けます。
第1段階のすべての教習を受け終えると、「みきわめ」というテストがあります。
「みきわめ」では、第2段階の路上教習に進めるだけの運転技能が習得できているかをチェックされます。
つまり、仮免許の技能検定を受けられるかどうかを判断されるわけです。
一方の学科教習は、AT 車限定・MT 車共通で 10 時限の教習を受ける必要があります。
学科においても、第 1 段階の教習を受け終えると、技能教習の「みきわめ」と同様に「効果測定」と呼ばれるテストがあります。
第1段階では、技能教習の「みきわめ」と学科教習の「効果測定」の両方のテストをクリアすれば、合宿免許前半戦のクライマックス「仮免許試験」(技能検定と仮免学科試験)へと進むことができます。
技能試験(修了検定)
仮免許試験に合格するには、技能と学科の両方の試験をクリアしなければなりません。
技能試験は、第1段階で学んだ運転技能が身についているかどうかをチェックするテストで「修了検定」とも呼ばれていて、仮免試験の技能編になります。
そして、この技能試験(修了検定)に合格しなければ、学科の仮免許学科試験に進むことができないという仕組みになっています。
合宿免許の前半戦最大のクライマックスといえるでしょう。
仮免許学科試験
仮免許学科試験は、仮免試験の学科編で、先に技能試験(修了検定)に合格しなければ受けられません。
第 1 段階の学科教習で学んだ範囲から出題され、全 50 問中 45 問以上の正解で合格です。
基礎的な問題ながらも、よく理解した上でしっかり対策しておかなければ正答できない「ひっかけ問題」が多く出題されるのが特徴です。
この学科試験に合格すれば、仮免許を手に入れることができます。
第2段階
第 2 段階でも技能と学科の両方の教習があります。
技能教習では、基本的に路上教習になり、AT 車限定・MT 車ともに 19 時限、学科教習は 16 時限の教習を受ける必要があります。
ここでは、いよいよ技能・学科ともに公道の路上で運転する技術や知識、判断能力を習得していくことになります。
そして、第 2 段階の学科のすべての教習を受け終えると、「卒業前効果測定」というテストが待っています。
この「卒業前効果測定」に合格すれば、最後の難関「卒業検定」へと進むことができるという流れです。
3.卒業検定の内容
卒業検定は、文字通り、これまでの集大成となる試験です。
一人きりでも公道を安全に運転できるかどうかをテストされます。
試験時間は、場内コースで 5~10 分、路上コースで 20~25 分程度。
検定コースは、場内コースと路上コースの両方を使って実施されます。
走行するコースは、仮免許の技能試験と同様に、助手席に座る試験官から指示されます。
ちなみに、指示されたコースを間違って走行してしまっても減点対象にはなりませんが、間違ったあとに慌てて運転ミスをしてしまうと減点されてしまうので、落ち着いて運転することが大切です。
4.卒業検定の採点方法
卒業検定は、仮免の技能試験(修了検定)と同様で「減点方式」です。
持ち点 100 点で検定を開始し、検定終了時に 70 点以上残っていれば合格となるというもの。
信号無視や速度超過など、あまりに大きなミスがあった場合は、即座に失格となり、検定が終了する場合もあります。
採点の基準は、運転技術に問題はないか、道路交通法や運転マナーが守れているか、公道を一人だけで運転して状況判断に問題はないか、など安全に運転できるかどうかをチェックされます。
採点するのは、助手席に座る試験官です。
それでは、卒業検定の減点項目を確認してみましょう。
【卒業検定の減点項目 ~代表例~】
5 点減点
①合図不履行
右左折や発進時にウインカーで合図を出さなかった場合。
途中で合図が切れたのに出し直さなかった場合。合図を消し忘れた場合。
②踏切内変速
踏切を通過中にギアチェンジした場合。
➂駐停車方法違反(場内)
駐停車する際に、タイヤが道路の左側端から 0.3m 以上離れていた場合。
駐停車する際に、車体と路端が平行になっていなかった場合。
➃駐車措置違反
車から降りる際に次の措置をしなかった場合。
Ⓐパーキングブレーキをかける。Ⓑエンジンを止める。Ⓒギアをローかリバースに入れる(AT 車は P レンジに入れる)。
⑤停止位置不適
停止線から2m 以上手前で停止した場合。
発着点( 検定時に車を乗り降りする場所 )の目印となるポールより 0.3m 以上前後して停車した場合。
10 点減点
①通行帯違反
右折や追い越し、障害物を避ける目的以外で、右側車線を 500m 以上走行した場合。
右折、左折、直進などそれぞれの専用通行帯で、指定されている進行方向に従わずに走行した、又は、しようとした場合。
通行帯から一部車体をはみ出して走行した場合。
②脱輪
車輪が縁石などに接触した場合。
➂安全不確認
ミラーと目視で安全確認するのを怠った場合。
➃速度超過
安全速度を超えて走行した場合。
カーブを走行する際に遠心力がかかった場合。
⑤ふらつき
正常な走行位置から左右に車幅の2分の1未満の幅でS字状になった場合。
右左折時に、走行すべきラインよりも膨らんだ場合。
20 点減点
①進路変更禁止違反(路上)
みだりに進路を変えた場合。
進路変更禁止エリアで進路変更した、又は、しようとした場合。
②進行方向別通行区分違反(路上)
右折、左折、直進の専用レーンにもかかわらず、従わずに走行した場合。
➂徐行違反(路上・場内)
徐行しなければならないシーンやエリアで徐行しなかった場合。
・ 右左折する時。
・ 信号のない優先道路に入る時。
・ 明らかに道幅の広い交差点に入る時。
・ 徐行の標識がある時。
・ 見通しの悪い交差点に入る時。
・ 曲がり角を走行する時。
・ 上り坂の頂上付近、勾配の急な下り坂など。
➃合図車妨害
停留所に停まっている路線バス等が発車しようと右に合図を出しているのに停止して発進させなかった場合。
右左折レーンに入るために進路変更をしようとしている車に対して譲らなかった場合。
ただし、ともに急ブレーキが必要な場合を除く。
⑤障害物への接触(場内)
車が障害物などに接触した場合。
⑥優先判断不良
進路妨害ほどではないが、優先の車に減速させた、あるいは、ハンドルを切らせた場合。
危険行為(試験中止)
①指定場所一時不停止
一時停止すべき場所で停止しなかった場合。
②信号無視
赤色信号を無視した場合。
赤色信号で停止線を越えて停止した、あるいは、超えようとした場合。
黄色信号での無理な進入をした場合。
黄色信号で停止線を越えて停止した、あるいは、超えようとした場合。
➂通過不能
場内コース:S 字やクランク、縦列駐車や方向転換する際に、切り返しを 4 回行った場合。
路上コース:同一場所で切り返しを 2 回行った場合。
➃安全運転義務違反(試験官補助)
安全運転ができていないため、試験官が補助ブレーキ等と使った、あるいは、注意された場合。
危険行為(試験中止)
⑤発進不能
5mの間にエンストを 4 回した場合。
技量不足により、1 分以上発進できなかった場合。
青信号にもかかわらず、青信号の間にエンストなどで発信できなかった場合(その恐れも含む)。
優先車や交差点での判断不良により、周囲の交通に迷惑をかけた場合(その恐れも含む)。
5.卒業検定に落ちたら、どうなる?
では、もし卒業検定に落ちたら、どうなるのでしょうか?
不合格だった場合でも、もちろん再び挑戦することはできます。
5-1. 補習教習で弱点を克服してから、再挑戦しよう!
卒業検定に再挑戦することはできますが、再挑戦するには、少なくとも 1 時限以上の補習教習を受ける必要があるため、合宿期間の延長は避けられません。
やはり検定に落ちたのには理由があり、その原因を補習教習で復習し、しっかり克服しなければ、再挑戦したところで、また不合格になってしまいます。
自分の運転に自信ももてないのに、運良くたまたま卒業検定に合格し、免許取得後につまらないミスで事故を起こす人は決して少なくありません。
それであれば、自信のないところを教習所の指導員に徹底的に教えてもらい、練習してしっかり克服する方が良いに決まっています。
補習教習の回数に上限はないので、この機会に自信がもてるまで練習することをお勧めします。
もし落ちてしまったとしても、ポジティブに受け止めて、自分の弱点を克服することに集中しましょう。
5-2. 注意しておきたいこと
5-2-1. スケジュール
少なくとも 1 時限以上の補習教習を受ける必要があるため、卒業検定に落ちると同時に、自動的に合宿期間の延長が決まります。
また、教習所によっては、卒検を実施する曜日が定められていることがあるので、補習教習とともに卒検の日程によって延泊する日数も変わってきます。
5-2-2. 追加費用がかかる場合がある
卒業検定に落ちてしまうと、以下の費用が追加でかかることがあるので留意しておきましょう。
①補習教習の費用
②卒業検定の再受験料
➂延泊分の費用
ただし、教習所によっては、一定回数まで無料で再受験できるプランや、追加料金が一切かからないプランが用意されていることがあるので、少しでも心配な方は、プラン選びの際の条件にすることをオススメします。
6.この記事のまとめ
今回は、「卒業検定特集」の第 1 回目として、卒業検定までの流れや検定の内容、そして教習生最大の関心事である「卒検に落ちたらどうなるのか?」について詳しく解説してきました。
卒業検定は、合宿免許での最大のクライマックスです。
出来ることなら 1 発で合格したいところですが、もし不合格になってしまっても、決して落ち込むことなく、前向きに弱点を克服することだけに集中し、自信をもって再チャレンジして合格を勝ち取ってほしいところです。
次回は、「卒業検定特集」の第 2 回目として、卒検の合格率や「傾向と対策」、そして、めでたく卒業したあとの免許センターでの学科試験や手続きについても紹介します。
株式会社ドリーム(ドリーム運転免許センター)
〒543-0001 大阪市天王寺区上本町5-2-11 上六新興産ビル7階