仮免試験に落ちると、どうなる?技能試験に落ちる原因と合格対策を解説

仮免試験に落ちると、どうなる?技能試験に落ちる原因と合格対策を解説

 

通称「仮免(かりめん)」こと仮免許を取得するための仮免許試験は、合宿免許前半のクライマックスです。
前半の総まとめとして、第1段階の教習内容をしっかり習熟できているかをテストされます。
仮免試験には、基本的な運転操作の習熟度をテストする「技能試験」と、安全に運転するために必要な知識やマナーをチェックする「学科試験」という2つの試験があります。
今回の記事では、仮免許試験の概要や、技能試験の傾向と対策について詳しく解説していきます。


目次

  1. 仮免試験とは?合格までのステップを確認しよう
  2. 仮免試験には【技能】と【学科】の2つの試験がある
    1. 技能試験(修了検定)とは
    2. 仮免許学科試験とは
  3. 技能試験(修了検定)はどんな試験なのか?
    1. 技能試験(修了検定)のポイント
    2. 仮免の技能試験(修了検定)は減点方式|減点例を確認!
      1. 安全措置不適
      2. 運転姿勢不良
      3. 合図不履行等
  4. 仮免の技能試験(修了検定)に落ちたら、どうなるの?
    1. 再受験は補習教習を受けてから
    2. 補習教習で苦手を徹底的に克服しよう
  5. 仮免の技能試験(修了検定)に落ちる人の特徴とは?
    1. 技能試験のポイントを理解していない
    2. 減点ポイントに対してアピールできていない
  6. 仮免の技能試験に合格するための5つのポイント
    1. 減点ポイントを把握しておくこと
    2. 教習コースを覚えておくこと
    3. 挨拶と返事は大きく好印象にすること
    4. 安全確認の動作は大きくアピールすること
    5. 乗車から降車まで気を抜かないこと
  7. この記事のまとめ

1.仮免試験とは?合格までのステップを確認しよう

仮免試験とは?合格までのステップを確認しよう

路上教習や卒業検定を受けるためには、仮免許を取得していなければなりません。
したがって、この仮免試験に合格しなければ、第2段階に進むことができず、自ずと合宿免許の期間を延長しなければならなくなってしまいます。
仮免試験に合格することは、合宿免許卒業への大切なステップなのです。

仮免試験の流れ

第一段階の教習を終えると、学科は「効果測定」、技能は「みきわめ」と呼ばれるテストで、仮免試験に進んでもいいのかどうかの判定を受けます。

・ 「効果測定」は学科試験のことで、第一段階で学んだ内容から出題されます。
・ 「みきわめ」は、第一段階で練習した運転技能が身についているかどうかを確認します。

「効果測定」も「みきわめ」も仮免試験に進めるかどいうかを判断する重要なテストなので、成績が悪い場合には、再試験や補習を受けることになります。
とはいえ、自分の苦手なところを自覚する良い機会にもなるので、仮免試験までにしっかり復習しましょう。


2.仮免試験には【技能】と【学科】の2つの試験がある

仮免試験には【技能】と【学科】の2つの試験がある

仮免試験には、技能と学科の2つの試験が設けられています。
まず技能検定(修了検定)を受け合格すれば、次に学科の仮免許学科試験に進むことができ、学科試験に合格すると、仮免許証が交付されるという流れになっています。

2-1. 技能試験(修了検定)とは

技能試験とは、第1段階で学んだ運転技能が身についているかどうかを確認する実技試験で、「修了検定」とも呼ばれています。
仮免試験は、技能と学科の両方の試験に合格してはじめて仮免許証が交付されるという仕組み。
まずは、この技能試験(修了検定)に合格しなければ、学科の仮免許学科試験に進むことができません。
第2段階の技能教習は、公道での路上教習になるため、仮免許証が必須。
合宿免許では、この仮免の技能試験に落ちてしまうと、予定通りに卒業することがむずかしくなります。
その意味でも、仮免の技能試験は、合宿免許前半のクライマックスといえるでしょう。
今回の記事では、このあと技能試験(修了検定)について詳しく解説していきます。

2-2. 仮免許学科試験とは

仮免許学科試験は、技能試験に合格してから受けることができます。
そして、この学科試験に合格すれば、仮免許を手に入れることができるのです
今回の記事では、まずは技能試験について解説しますので、仮免許学科試験については、次回記事で傾向と対策を詳しく解説していきます。


3.技能試験(修了検定)はどんな試験なのか?

技能試験(修了検定)はどんな試験なのか?
3-1. 技能試験(修了検定)のポイント

技能試験は、教習所場内のコースで実施され、試験時間は約 15 分です。
技能試験で運転するコースは、複数のコースパターンが用意されています。
採点は、減点方式で行われます。
持ち点 100 点でスタートし、試験終了時に 70 点以上残っていれば、合格という仕組みになっています。
持ち点が 70 点未満になれば、不合格となり、再度試験を受けなければなりません。
採点するのは、助手席に乗る試験官(検定員)が担当します。

試験の際は、試験官に指定されたコースを走行します。
第 1 段階の技能教習で学んだ内容から、クランクや S 字カーブ、坂道発進などが含まれる構成です。
コースの形状や状況に対して、車を正しく操作できるか、あるいは正しい手順で走らせることができるかどうかをチェックされます。
約 15 分の間に、課題ポイントが連続するため、むずかしく思えるかもしれませんが、すべて第1段階で学んだ内容から構成されているので、落ち着いて基本に忠実に運転すれば大丈夫です。

技能検定の課題ポイント
  • 発進と降車時の確認作業
  • 発進および停車方法
  • 安全確認
  • 直前道路
  • 交差点での優先判断と操作
  • S 字カーブ
  • クランク
  • 坂道発進
  • 踏切通過
3-2. 仮免の技能試験(修了検定)は減点方式|減点例を確認!

技能試験の採点は、減点方式で実施され、その採点基準は正式に公開されています。
減点数はミスの内容によって異なり、それぞれの項目によって5点・10 点・15 点・20 点の減点が課されます。
では、どのような運転操作をすれば、減点対象になってしまうのでしょうか?
ここでは減点対象となる例を紹介します。

また、信号無視や大幅な脱輪、発進不能や通過不能といった大きなミスや危険操作があった場合には、その時点で即終了し、不合格になってしまうので注意が必要です。

3-2-1. 安全措置不適

安全運転に必要な確認や操作を怠ると、安全措置不適とみなされます。
たとえば、発進する前にバックミラーやサイドミラーで確認をしなかった場合や、ハンドブレーキを完全に解除しなかった場合には 5 点の減点。
シートベルトを装着しなかった場合には、10 点の減点対象となっています。
いかに安全運転が重視されているかがよく分かりますね。
安全措置については、日ごろから意識してクセ付けておくようにしましょう。

3-2-2. 運転姿勢不良

安全運転をするためには、適切な運転姿勢を保つ必要があるとされています。
そのため、正しい運転姿勢ではないと判断されれば、減点対象になってしまいます。
主な減点対象は、座席シートの調節不足や直進中の片手ハンドル、上体の極端な傾きなどで、これらは 5 点の減点とされています。
運転技能でミスするのならまだしも、運転姿勢で減点されるのは、とてももったいないことですし、何より運転姿勢が悪いと、操作ミスや咄嗟の危険回避などができなくなり大変危険です。
普段から気を抜くことなく、運転姿勢にも注意するようにしましょう。

3-2-3. 合図不履行等

周囲の他の車や歩行者などとの事故を防ぐために必要なのが合図の履行です。
発進や進路変更などの際には、決められた合図をすることが道路交通法で定められています。
合図不履行が確認された場合は、5 点の減点になります。
進路変更や右左折時、道路端から発進するときには、必ず合図を出しましょう。

参考:警察庁 「運転免許技能試験に係る採点基準の運用の標準について(通達)」(令和 4 年)
https://www.npa.go.jp/laws/notification/koutuu/menkyo/menkyo20220304_51.pd


4.仮免の技能試験(修了検定)に落ちたら、どうなるの?

仮免の技能試験(修了検定)に落ちたら、どうなるの?
4-1. 再受験は補習教習を受けてから

仮免の技能試験に落ちた場合、すぐに再受験することはできません。
再受験するには、少なくとも 1 時限以上の補習教習を受けることが義務付けられています。
補習教習を受けるには、追加料金が発生するのが基本的で、技能試験を再受験する際にも受験料が必要になります。
ただし、教習所によっては、一定回数まで無料で再受験できるプランや、追加料金が一切かからないプランが用意されているので、試験が心配な方は、プラン選びの際の条件にすることをオススメします。

4-2. 補習教習で苦手を徹底的に克服しよう

補習教習では、仮免の技能検定でミスした内容を復習することになります。
技能試験を担当した試験官から、補習教習を担当する指導員に対して、復習すべき内容が伝えられます。
そのため、補習教習では苦手なところを重点的に練習することができます。
技能試験に落ちてしまったことは、少しショックかもしれませんが、第 2 段階や免許取得後のことを考えると、苦手なポイントを徹底的に克服する良い機会だと考えるべきです。
実際に、運転免許を取得しているドライバーでも、恐ろしく下手な人はたくさん存在します。
そのようなドライバーの多くは、おそらく苦手意識をもちながら、不安なまま今も運転しているはずです。
そんなドライバーになるくらいなら、補習教習でしっかり苦手を克服してから再受験し、自信をもって第2段階へと進む方が自分のためになります。
教習所の混み具合にもよりますが、補習教習を 2 時限以上受けてから再受験することも可能です。
もし仮免の技能試験に落ちてしまっても、ぜひポジティブに考えて補習教習に取り組んでください。


5.仮免の技能試験(修了検定)に落ちる人の特徴とは?

仮免の技能試験(修了検定)に落ちる人の特徴とは?

じつは技能試験に落ちる人には、必ず原因となる特徴・タイプがあります。
この特徴をよく理解していなければ、何度も再受験を受けることになってしまいます。
落ちる人の特徴について、いくつか紹介します。

5-1. 技能試験のポイントを理解していない

技能試験では、課題となるポイントや減点ポイントが定められています。
なかでも対策しやすいのにもかかわらず、最も減点されているポイントが、安全確認を怠ること=安全措置不適です。
教習所では、「安全に運転するために」を大前提にして教習を行っています。
当然、技能試験において重要視されるのは、安全に運転するために必要な判断や操作を正しく行えているかどうかです。
教習生本人が、いくら自分では安全確認をしっかり行っているつもりでも、試験官の目に安全確認が十分ではないと映ってしまえば、減点対象になってしまいます。
常に試験官にチェックされていることを考えて、誰の目から見ても正しい安全運転を心掛けましょう。

5-2. 減点ポイントに対してアピールできていない

減点ポイントを理解していて、自分ではしっかり出来ていると思っていても、それが試験官にしっかり伝わらなければ、当然減点されてしまいます。
技能試験での減点対象となるポイントを理解したら、次は試験官に「私はしっかり理解して実行していますよ!」とアピールする運転動作をしましょう。
すでに説明しましたが、とりわけ減点されやすいのが、安全確認の動作です。
安全確認をする際には、目だけではなく、しっかり顔ごと動かして、ルームミラー、サイドミラー、直接目視と動作を大げさにすること。
車に乗り込む前にも、車の下までしっかり覗き込んで「私はしっかり安全確認を行っていますよ!」というアピールをすることが大切なのです。

5-3. 苦手ポイントや不合格になった原因を克服していない

苦手なポイントに対して、何も把握せず、また何の対策もしなければ、当たり前のように不合格になってしまいます。
技能試験を受ける前に、自分の苦手なポイントを把握しておけば、試験当日までに指導員にアドバイスをもらうなどして、しっかり対策しておくことができます。
また、もし不合格になったとしても、減点された理由を把握して、補習教習でしっかり原因を克服すれば、自信をもって再受験に臨むことができるはずです。


6.仮免の技能試験に合格するための5つのポイント

仮免の技能試験に合格するための5つのポイント

ここまで仮免の技能試験の特徴や採点方法について詳しく解説してきました。
最後に、技能試験に合格するための対策についてまとめました。

6-1. 減点ポイントを把握しておくこと

採点方法は減点方式で、減点ポイントは公開されています。
どのようなミスが減点対象となっているのかを事前に把握しておくことが大切。
一発で不合格になる大きなミスについては必ず覚えておくようにしましょう。
また、自分の苦手ポイントについては、ミスしてしまった場合の点数を把握しておくとよいでしょう。
なぜなら、もし本番でミスしてしまっても、「1 回ならまだ大丈夫だ」と気持ちに余裕がもてるからです。
減点ポイントを把握しておくことで、かしこく落ちついた「試験運び」ができるのです。

6-2. 教習コースを覚えておくこと

技能試験で走るコースはあらかじめ決まっているので、コース内容を覚えておきましょう。
そして、コース内のポイントとなる地点ごとに「ここは一旦停止して、左右の安全確認が必要だな」などとシミュレーションしておくことが大切。
本番の試験では、助手席にいる試験官がコース内の走る順序を指示してくれるので、すべて完璧に覚える必要はありません。
また、もしコース内の走る順序を間違えたとしても、減点対象にはならないので覚えておきましょう。

6-3. 挨拶と返事は大きく好印象にすること

技能試験の試験官に対しては、挨拶や返事など大きな声でハッキリと対応するように心掛けましょう。
技能試験では採点基準が明確に設けられているため、採点内容に試験官の私的な感情が入ることはないものの、好印象を与えて、和やかな雰囲気の中で試験を受けられるように環境づくりはとても大切です。
試験官も人間ですから、よい印象をもってもらえて損することなどないはずです。

6-4. 安全確認の動作は大きくアピールすること

安全確認の際には、大きい動作で試験官にしっかり伝わるようにアピールすることを心掛けてください。
安全確認が必要なタイミングは、乗降時、発進や後退、右左折や進路変更、踏切通過など。
少し大げさなくらいにしっかり顔を動かし安全確認を行い、安全措置不適と合図不履行にならないようにしましょう。

6-5. 乗車から降車まで気を抜かないこと

本番の試験では、試験官に乗車前から降車するまでの手順を厳しくチェックされていることを忘れないでください。
乗車時には、車体の周囲を前後左右、下側に至るまで障害物がないかしっかり確認します。
そして、後続車がいないことを確認してから車に乗り込みます。
ドアを開ける前にも、もう一度周囲の安全を確認することが大切です。


乗車後も、発進するまでに所定の手順を踏んで安全確認を行います。
座席シートやルームミラー、サイドミラーの調整、シートベルトの装着やギアの確認など、落ち着いて一つひとつ確実に行いましょう。

コースを走り終えても、降車するまで気を抜かずに安全確認が必要。
走り終えて停車すると、サイドブレーキをかけてエンジンを切り、シートベルトを外して座席シートの位置を元通りにしましょう。
そして、ドアを開ける際は、歩行者や他の車が接近していないことを確認してからドアを開け降車します。

すべて基本に忠実なことばかりなので、普段の教習から意識してクセ付けておくことが大切です。


7.この記事のまとめ

この記事のまとめ

今回は、仮免許試験の概要と、技能試験の傾向と対策について詳しく解説してきました。
技能試験では、第1段階で学んだことがしっかり習得できているかどうかをチェックされます。
採点方法も減点対象となるポイントも公開されていて、試験コースも事前に発表されるため、しっかり対策することが可能です。
運転技能で苦手なところは、試験本番までに指導員にアドバイスを求めるなどして克服するためによく練習しましょう。
また、もし試験に落ちてしまったとしても、不合格になった理由をしっかり理解し、自信をもって第 2 段階の路上教習に進むための試練なのだとポジティブに捉えて補習教習に励んでください。
次回は、「仮免許の学科試験」について傾向と対策を解説します。

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